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トップページ > 金融機関からの支払い督促について
金融機関からの支払いの督促について
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相続放棄の手続き中のため支払うつもりがないことを明確に伝えて下さい。
相続放棄申述書が受理されたら,受理証明書のコピーを送っておくと完璧です。
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サラ金(消費者金融)・カード会社からのお誘い |
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消費者金融から,この書類に署名捺印すれば,債務の9割を免除すると言われました。
署名捺印してもよいですか。
絶対に署名捺印してはいけません。
相続放棄の手続き中なので,応じることができないと明確に伝えて下さい。
このような消費者金融からの問いかけなどの対応がよく分からない場合には,必ず弁護士に相談して下さい。
次に掲げるような判例がある位揉めることになります。
このような危険は避けた方が無難です。
相続放棄申述書が受理されたら,受理証明書のコピーを送っておくと完璧です。
参考となりそうな判例がありますので,紹介します。
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参考判例 |
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事件番号:平成17年(ワ)第6276号
事件名 :損害賠償請求事件
裁判所 :東京地方裁判所
判決日 : 平成17年10月21日
判示事項:
亡父の債務につき、相続放棄および消滅時効を援用した事例
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求の趣旨
被告は、原告に対し金3600万円を支払え。
第2 事案の概要
1 前提事実
次の事実は、当事者間に争いがないか、証拠(各項目掲記のもの)及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実である。
(1)原告は、東京都文京区〈省略〉所在の建物において、「○○○」との名称で居酒屋(以下「居酒屋○○○」という。)を経営していた者である(争いのない事実、弁論の全趣旨)。
(2)被告は、亡A(以下「亡A」という。)及びB(以下「B」という。)の間の子である(争いのない事実)。
(3)亡Aは、居酒屋○○○の従業員として勤務していた者であり、昭和60年2月28日死亡した(争いのない事実、甲7、乙4)。
2 請求原因
以下の(1)ないし(12)のとおり、原告は亡A及び被告の不法行為又は不当利得により、合計3600万円の損害を被った。
(1)亡Aは、昭和56年から昭和60年1月ころまで、居酒屋○○○の売上金合計169万5000円を横領し、このうち125万5000円を被告名義の銀行口座に振り込み、残りの40万円をBに対し現金で渡していた。
(2)亡Aは、居酒屋○○○の売上金から、被告の結婚費用40万円を支出した。
(3)亡Aは、原告の不在中に原告の実印を盗み、これを用いて委任状を作成して、昭和55年8月28日に文京区福祉援護課から100万円を借り受けた。また、同様に原告の実印を盗み、これを用いて昭和57年12月22日に国民金融公庫**支店から130万円を借り受けた。亡Aはこれらを被告の家や車の購入や、Bへの仕送りにあてた。
被告は、これらのうち60万円だけを原告に送金した。
(4)亡Aは結核に罹患していたが、原告は亡Aからこの結核を移され、昭和60年3月28日から同年8月31日の間、入退院を繰り返した。
(5)亡Aは、居酒屋○○○の経理を行っていたが、居酒屋○○○の再契約料を支払わず、原告は2回分88万円を立替払いした。
(6)亡Aは、昭和52年11月25日から昭和59年12月まで、原告の実家から魚、米、野菜、酒などを仕入れていたが、その代金を支払わず、原告は代金合計100万円を立替払いした。
(7)亡Aは、昭和52年11月以来、居酒屋○○○の店舗及び自己の住居の賃料を支払わず、原告は賃料の合計118万円を立替払いした。
(8)亡Aと被告は、昭和57年2月ころ、原告に無断で志賀高原へのスキーツアーを行い、100万円の収益を得たが、その収益を原告に対して支払わない。
(9)被告は、昭和60年3月5日、原告が亡Aから譲り受けた、グルノーブル冬季オリンピックのメダル等メダル多数の付いた青い登山帽(以下「本件登山帽」という。)を窃取した。
(10)被告は、昭和60年3月5日、Bが亡Aに宛てた離婚届を原告の店から窃取し、これによって原告は亡Aの遺族年金を受け取ることができなくなった。
(11)被告は、亡Aの葬儀における香典のうち○○○○、○○○○、○○○○及び○○○○○による香典は原告が受け取るべきだったにもかかわらず、これら合計8万5000円を窃取していた。
(12)被告は、平成5年10月14日、新潟市〈省略〉所在のホテル○○○において、原告と話し合っている最中に飲食物を注文したが、代金を支払わず立ち去り、原告は被告の代わりに代金1200円を支払った。
3 請求原因に対する認否
(1)請求原因(1)については、亡Aから被告名義の銀行口座に125万5000円の振り込みがあったこと及び亡AがBに対し現金(金額は不知)を渡していたことは認める。
請求原因(3)については、被告が原告に対し送金したことは認める。
請求原因(12)については、原告と会ったこと、飲食代を支払わなかったことは認める。
(2)その余は否認ないし争う。
4 抗弁
(1)相続放棄
被告は、亡Aの相続に関し、家庭裁判所において相続放棄の申述をし、これが受理された。
(2)示談契約の締結
被告は原告との間で、昭和63年11月13日、示談契約を締結した。
(3)時効の完成
ア 平成5年10月14日から10年が経過した。
イ 被告は、平成17年6月3日の本件口頭弁論期日において,消滅時効を援用する旨の意思表示をした。
第3 当裁判所の判断
1 事実認定
各項目掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
(1)亡Aは、遅くとも昭和46年ころから昭和60年2月28日に死亡するまで、原告の経営する居酒屋○○○の従業員として、原告と共同生活をしていた(甲7、乙4、原告本人、弁論の全趣旨)。
(2)昭和55年8月28日付けの委任状と題する書面には、原告は亡Aを代理人と定め、生業資金貸付金受領に関する一切の件に関する権限を委任するとの記載があり、末尾に原告の記名がされ、その名下に原告の印の押印がなされている(甲1)。
(3)借用金額を100万円とする昭和55年8月29日付け生業資金借用証書の借受人欄及び借用金額を130万円とする昭和57年12月22日付けの借用証書の債務者(借主)欄には、いずれも原告名義の記名がされ、その名下に原告の印の押印がなされている(甲2、3)。
(4)亡Aの葬儀は、被告が喪主として行い、葬儀費用も被告が支払っていた(乙4)。
(5)被告及びBは、亡Aを被相続人として、家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、昭和60年5月27日、両名の申述は受理された(乙3の1及び2)。
(6)原告は、昭和63年11月13日付けの「被告は、原告に対し、「利害請求に関する覚え書き」に同意後、毎月金2万円を最高2年間合計金48万円を限度に、原告の指定する銀行口座に遅延なく振込するものとし振込に係る手数料は原告の負担とする。」との誓約書及び同日付けの「原告と被告との間における利害請求は本覚書をもっておこなわないものとする。」との利害請求に関する覚書に署名押印し、これらを被告に対し差し入れた(甲15、乙1の1及び2)。
(7)その後も原告は、前記第2、2(9)及び(10)の件が未解決であり、これらと上記(6)の金員支払の件について被告と話し合おうと考え、平成5年10月14日、ホテル「○○○」に被告を呼び寄せ、原告と被告は、同ホテル内のレストランで会い、原告はコーヒー、ポテトフライ及びコーラ(いずれも600円)の代金等合計2039円を支払った(争いのない事実、甲6、原告本人、弁論の全趣旨)。
2 原告の請求原因について
(1)原告の請求原因のうち、(1)ないし(7)については、いずれも法的に構成すると、直接的には亡Aの不法行為ないし不当利得を主張するものと評価せざるを得ないところ、上記のとおり、亡Aは既に死亡し被告は適式に相続放棄の手続をとっているのであるから、仮に原告主張の事実が存在したとしても、それに基づいて被告に金銭を請求することはできない。
(2)原告の請求原因のうち、(8)ないし(11)の事実については、被告自身の不法行為又は不当利得を主張するものではあるが、それらののちに、原告と被告は上記1(6)のとおりの覚書を取り交わしており、そのことからすると、仮に原告主張の事実が存在したとしても、原告はもはや覚書で合意された以上の金員を請求することはできないといわざるを得ず、原告の本訴請求はこの覚書の履行をもとめるものでもない。
(3)原告の請求原因(12)の事実については、上記1(7)の事実が認められるが、そのうちに被告の飲食したものが含まれているか否かは必ずしも明らかでないし、その会合の行われた経緯に照らすと、会合に伴う上記認定程度の費用は、原告が負担するのが相当と考えられるから、被告が原告主張のとおりの飲食の注文をし、その代金を被告が支払わなかったとしても、それによって被告が不当利得したものとは認め難い。また、仮に被告に不当利得が成立するとしても、被告の抗弁(3)の事実は当裁判所に顕著であるから、もはや原告の不当利得返還請求権は時効によって消滅したといわざるを得ない。
(4)なお、付言するに、本件は、亡Aが被告の母との婚姻関係を継続したまま原告との同棲を行ったことが端緒となっているものであり、原、被告間の金銭関係の多くは、そのことに伴う亡Aの行状に起因するものである。そのことからすると、同人が死亡した以上、残された原告及び被告は互いに譲歩し合って円満に事を解決するのが相当であるとも考えられるが、既に上記1(6)のとおり、原告と被告は、昭和63年の覚書締結により、両者間の法律関係を和解によって解決したと認められるのであるから、それ以前の事柄については両者の間にはもはや裁判によって解決すべき問題はなく、被告が積極的に望まない以上、再度和解を勧告すべき状況にもないといわざるを得ない。
3 以上によれば、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。
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